カテゴリー
哲学

【やさしい哲学】
第3弾
意識下の無意識
『フロイト』

みなさんこんにちは!
今回は、【やさしい哲学】シリーズ第3弾です!
フロイトは、シュルレアリスムや抽象表現主義の回で登場しましたね。
まだ読んでいない方は、シュルレアリスムの回・抽象表現主義の回をご覧ください。
では早速始めていきましょう!

人間を操る無意識の世界『フロイト』

プシーボル市(チェコ共和国)出身 主著:『精神分析入門』

年表

心の構造

フロイトは、精神分析という新語を作りましたが、その確立のきっかけは催眠療法でした。もともとシャルコーというフランスの神経症学者によって、ヒステリー(神経症)を治すために使われていました。これは、患者を催眠状態にして暗示をかけて身体的な症状を取り除くというものです。しかし、暗示が解けてしまうと、再び不安に襲われ、症状が悪化する恐れがあります。そこで、シャルコーの催眠療法をヒントに、根本原因となる不安を取り除くための方法として、患者の心理的前歴の分析を試みました。自身も神経症に苦しんでいたフロイトは、自分を実験対象としてその分析を行い、実際に病気を克服することに成功しています。意識から退けようとして、無意識のうちに抑制した過去のトラウマや欲望を自覚することが、症状の解決につながりました。そして、この実験において、意識の下には「無意識」という領域があることが明らかになりました。

これは、フロイトが考えた心の構造です。
意識は、普段私たちが感覚器官を通して物事を知覚する時の領域で、その奥には、通常意識されることはないが、注意を向けると意識できる「前意識」という領域があります。反対側には、「イド」と呼ばれる快楽原則に支配されたリビドー(性の欲動)の源泉と、意識することができない無意識という領域があります。これらの中間に位置する「超自我」は、良心あるいは道徳的な禁止機能やしつけなどを通して身につけたもので、快楽原則に従う本能的な欲動を検閲し抑制する働きを持つ。意識的なこともあるが、ほとんどは無意識において後悔や罪責感をもたらします。そして、自我はイドや超自我、外界からの要求によって生じる葛藤を現実原則に従って調整する機能を持っている。このことから、自我の強さが健全なパーソナリティの原点だと言えます。
ここで言う快楽原則は、不快な状態を避け、本能的欲望や衝動の即時的直接的満足を得ようとする傾向を持ちます。一方現実原則は、快楽原則を修正して現実との適合を図りながら欲求を充実させようとする傾向を持っています。

夢判断

フロイトは、様々な患者の診察を通して、無意識に起こる不安や欲望は夢に現れるということに気付きました。そして、その夢の中には性的行為のシンボルが多く現れていると考えました。これを、「夢判断」と呼び、無意識に抑圧された性的な欲望に注目しました。当時の西欧社会は、性的なことは蔑視されており、性を悪いものとして見る道徳規範がありました。それによって、性的な欲望が無意識の中に追い込まれ、夢の中に別のイメージとなって現れたり、精神的な病気となって現れたりするのではないかと考えました。

人はなぜ生きるのか?

人の心の中には、エロス(生の欲動)とタナトス(死の欲動)という相対する2つの要素があり、さらにエロスには、リビドー(性の欲動)と自己保存の欲動(道徳規範)の間で葛藤があると考えられています。また人間は、欲動という願望や欲望を生じさせる刺激によって感情や思考が起こり、それが言葉や行動に現れるとされています。
そこでフロイトは、「エディプス・コンプレックス」という理論を発展させ、人間の人格形成上最も重要なことだと考えました。その一例として、男の子は母親からの愛を得ようと、同性の父親を無意識のうちに憎む態度をとってしまうということが挙げられています。母親に対する性的な欲動と、父親に対する畏れから命令に従い、自分の中に作り上げられる道徳規範の間で葛藤が起こっているということです。
このように、フロイトは無意識の発見を通して、心における様々な作用について言及しました。

ということで、いかがでしたでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました!
もし分かりにくい点やここちょっと違うよという点などありましたら、コメントに書いていただけると今後の参考になりますのでよろしくお願いします。
もしこの投稿が良いなと感じた方は、シェアやフォローをお願いします!
プレッジの支援もしていただけると嬉しいです!

次回予告
【やさしい哲学】第4弾 世界は苦しみで満ちている『ショーペンハウアー』
お楽しみに!

参考文献

『哲学と宗教全史』(出口治明、ダイヤモンド社)

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

哲学と宗教全史 [ 出口 治明 ]
価格:2640円(税込、送料無料) (2020/10/27時点)


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

哲学と宗教全史 [ 出口 治明 ]
価格:2640円(税込、送料無料) (2020/10/27時点)


『図解いちばんやさしい哲学の本』(沢辺有司、彩図社)

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

図解いちばんやさしい哲学の本 [ 沢辺有司 ]
価格:712円(税込、送料無料) (2020/10/27時点)


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

図解いちばんやさしい哲学の本 [ 沢辺有司 ]
価格:712円(税込、送料無料) (2020/10/27時点)


『心理学対決!フロイトvsユング 史上最強カラー図解』(山中康裕、ナツメ社)

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

心理学対決!フロイトvsユング 史上最強カラー図解 [ 山中康裕 ]
価格:1650円(税込、送料無料) (2020/12/7時点)


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください