みなさんこんにちは!
今回は、【やさしい美術史】シリーズ第2弾です!
早速始めていきましょう!
夢と幻想の世界を描くダダの後継ムーブメント『シュルレアリスム』
始まりと思想
ダダ運動が終息に向かうと、芸術家は活動拠点をパリ(フランス)に移しました。そして、現地の詩人や文学者との交流の中で新たにシュルレアリスム運動が誕生しました。詩人アンドレ・ブルトンは、1928年に発表した『シュリレアリスム宣言』で出発点となる思想を形作りました。彼らは、精神分析学者ジークムント・フロイトの深層心理学に影響を受け、夢や無意識の世界とダダ運動から受け継いだ破壊精神や偶然性の要素を組み合わせ、大戦によって荒廃したヨーロッパにおいて精神や想像力を解放するという考え方を示しました。しかし、ダダのような否定だけの運動はニヒリズム(虚無主義:今生きている世界における人間の存在には、理解できるような真理や本質的な価値などがないとする立場)に陥りやすいため、マルクスの革命論のような人間と社会の変革についても考察しました。
表現と美
主な表現方法として、ただ一人で全く意志統制のない受動的な状態で、心に浮かぶ言葉をそのまま機械的に書き写していくオートマティスムという手法があります。その他にも、フロッタージュと言って、凸凹のある素材の上に紙を置いて鉛筆で擦って写しとる方法や、絵具をつけた紙を他の紙とこすり合わせてできた模様を利用するデカルコマニーという技法があります。さらに、本来あるべき場所や環境と無関係な状況に物や人を配置し、不安感や不条理で謎めいた超現実空間を作るデペイズマンという表現スタイルも存在します。 ”美”の価値観に関しては、アンドレ・ブルトンが1928年に出した『シュルレアリスムと絵画』に 「驚きは常に美しい、驚くべきものは全て美しい、驚くべきもの以外に美はない。」 という記載があり、これがシュルレアリスム運動における美学の根本原理とされています。
主なアーティストと作品
前期:夢や無意識に従って内面の純粋なイメージを忠実に再現しており、抽象的・記号的・偶発的・幻覚的です。
後期:ジョルジョ・デ・キリコの形而上(形を持たないもの、有形の世界の奥にある深遠で究極的なもの)絵画に影響を受け、非合理的で奇怪なイメージを写実的に緻密に描き、シュールな不条理な潜在意識を表しました。
*キリコは、ニーチェの”無意味さを愛せよ”という観念に共感し、それを絵画に表現しました。
ということで、いかがでしたでしょうか。
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次回予告
新シリーズ【やさしい哲学】第1弾 目指せ絶対精神『ヘーゲル』
お楽しみに!